第3回グリーン・シーズ研究会は、日本橋ライフサイエンスビルディングにて対面開催で行います。講義テーマは、福島 康裕 教授による「カーボンニュートラルに向けた技術のシステム化」です。
物質変換を実現する化学の力は、複数の化学反応、生成した反応物の未反応原料と副生物からのスマートな分離、さらにエネルギーの授受を「目的に合わせて組み合わせる=システム化」することで、はじめて役立てることができます。
本講義ではカーボンニュートラル社会の実現にむけて変化した設計の目的と、これによって変わる最適システム構成の変化に関して、植物資源の資源化、廃ガスや空気中の二酸化炭素の資源化を例に説明します。
また、グリーンウォッシュとならぬための、投資や研究開発に求められる説明についても議論したいと思います。
東京 日本橋での対面開催
本研究会は、GGP season3初の対面講義となります。対面ならではの「場の共感・協調」は、新しいひらめきをより感じあえる、大切な機会であると考えます。東京 日本橋ライフサイエンスビル9Fにて、皆様にお会いできるのをお待ちしております!
大気中CO2を利用可能な統合化固定・反応系(quad-C system)の開発
ムーンショット型研究開発制度
内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度」をご存じでしょうか。この研究プログラムは、超高齢化社会や地球温暖化問題など重要な社会課題に対し、人々を魅了する野心的な目標(ムーンショット目標)を国が設定し、挑戦的な研究開発を推進するものです。
福島教授は、課題名「大気中CO2を利用可能な統合化固定・反応系(quad-C system)の開発」におけるプロジェクトマネージャーであります。(以下、ムーンショット型研究開発事業〜東北大学の挑戦〜サイトより抜粋)
プロジェクトの概要
二酸化炭素正味排出ゼロの世界の実現に向けて、エネルギーや化学製品の生産体系は大きな転換を求められています。
原料に化石資源を使わず、太陽光や風力などの再生可能エネルギーのみを使用、炭素源としては植物資源、排気ガスや大気中のCO2、そして廃プラスチックや有機廃棄物などを主要な原料として利用する生産体系が必要です。
CO2含有ガスを化学物質製造の炭素源として利用する際、従来の方法ではまず吸収液や吸着剤等でCO2を固定、次にエネルギーをかけて脱離、得られた高濃度CO2を反応基質と接触させて製品へと変換しています。
本プロジェクトでは、
- 省エネのため脱離を廃し、CO2の固定と変換を直結して効率的な反応系(Combined Carbon Capture and Conversion system, quad-C system)を構築
- 低濃度CO2の原料化(目標: ~400ppm = DAC化)への対応と、様々な原料ガスと製品への対応に取り組みます
上記のコンセプトは、CO2を反応基質に吸収、または反応速度向上のための触媒や転化率向上のための脱水材などに吸着させ、そのCO2をそのまま反応に供することで実現できます。
後者に用いる複機能材料(Dual Function Materials)では吸着状態を詳細に検討する必要があるため、最先端の分析機器を新たに設置、これらを駆使して分子レベルの動態の理解に基づいた反応プロセスの性能向上と、世界的に競争力を持つプロセスシステムの開発を目指しています。(後略。続きはサイトよりご覧ください)