第5回グリーン・シーズ研究会は、上田 恭介 准教授「生体用セラミックスを用いたインプラントへの機能付与」です

HOME > EVENTS&NEWS > 第5回グリーン・シーズ研究会は、上田 恭介 准教授「生体用セラミックスを用いたインプラントへの機能付与」です

第5回グリーン・シーズ研究会は、東北大学大学院工学研究科 材料システム工学専攻 医用材料工学分野、上田 恭介 准教授による「生体用セラミックスを用いたインプラントへの機能付与」です。

人工関節や人工歯根といったインプラントは、骨との迅速かつ強固な結合が求められます。加えて、インプラント表面に付着した細菌や口腔内細菌による炎症予防のために、抗菌性も求められます。演者は、チタニア(TiO2)や生体内溶解性リン酸カルシウムを用いた表面処理について検討してきました。

本講義では、高温酸化による可視光応答型チタニア皮膜の作製、スパッタ法による抗菌元素担持非晶質リン酸カルシウム(ACP)の作製、これらの抗菌性・抗ウイルス性評価についてご紹介いたします。

研究内容について

東北大学 大学院 工学研究科・工学部マテリアル・開発系サイトでの研究者プロファイルにて上田准教授が紹介されています。(東北大学 工学研究科・工学部HPより抜粋)

より安全に、さらに機能的に。金属系生体材料に新しい価値を

「膝の痛みに〇〇〇〇」、「△△は関節に効く!」といった医薬品や健康食品の商品広告をしばしば目にします。厚生労働省の調べによると、全国の関節症疾病の総患者数はおよそ125万人※1。この数字は医療機関を訪れている人から推定されているので、予備軍あるいは潜在患者を含めるとさらに膨らむとみられています。

関節本来の機能が損なわれ、激しい痛みが出たり、日常生活が困難になったりした場合、関節の表面を取り除いて「人工関節」に置き換える手術が行われます。人工関節置換手術は、世界的にも標準治療として広く普及しており、高齢化や途上国への展開が進むことで、今後ますます増えていくことが予想されています。「生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)」を高め、健康寿命を延ばしていくためにも必要な施術です。

人工関節のように、主に生体に移植することを目的とした素材のことを「生体材料(biomaterial:バイオマテリアル)」といいます。人工関節のほか、デンタルインプラントやステント※2、人工骨、人工血管などがあります。骨などの硬組織代替用の生体材料には、強度、耐食性、安全性、加工しやすさといった多くの条件を満たす金属材料が用いられています。

私が学部4年生から一貫して取り組んでいるのが-悪戦苦闘といったほうがよいかもしれませんが(笑)-金属系生体材料(人工関節、歯科用インプラント、ステント)の高機能化。いくつかの研究テーマが同時進行していますが、ここではより積極的に組織の再生を誘導する「表面改質」についてお話を進めていきます。

  • ※1 厚生労働省:平成26年 患者調査(傷病分類編)より
  • ※2 ステント:網目状の小さな金属製の筒で、人体の管状の部分(血管、気管、食道、十二指腸、大腸、胆道など)を内部から広げる医療機器。チタン合金やコバルト合金、ステンレススチールなどでできている。

(続きはサイトよりご覧ください)

成島・上田研究室について

成島・上田研究室は、人体に入れて使う金属やセラミックスなどバイオマテリアルに関する研究をしている、医用材料工学分野の研究室です。(東北大学大学院工学研究科 材料システム工学専攻 医用材料工学分野 HPより抜粋)

研究方針

超高齢社会に突入した我が国では、今後生体機能の低下や喪失に対応した生体機能再建用材料システムの高度化が期待されています。医用材料工学分野では、チタン・チタン合金、Co-Cr合金やNiTiなどの生体用金属材料の表面・組成/組織制御を通した生体埋入デバイス(インプラント)の高機能化や耐久性向上に関する研究を展開しています。生体環境下における金属系およびセラミックス系生体材料の表面・界面反応制御に関する基礎的研究とともに、抗ウイルス能・抗菌能と骨形成能を発現させる材料開発や表面創製、人工関節・ステント用材料開発などの応用研究を歯学研究科,加齢医学研究所と共同で推進しています。(続きはサイトよりご覧ください)

PARTICIPATION
参加方法